九州福岡HIV増の理由と感染経路や年齢は?エイズ初期症状は?
2017/10/01
九州でのHIV(エイズウイルス)感染者が増えている。
なんと福岡では61%増!!!
日本でエイズになる心配をしなくてはいけない時代になったのかもしれません。
でも、どうして福岡でHIV患者が急増しているのでしょうか?
その理由は?
HIV・エイズ感染経路や患者の年齢、性別の内訳はどのようになっているのでしょうか?
福岡では、HIVウイルス陽性患者としてではなく、すでにエイズを発症している状態で
検査で発覚する【いきなりエイズ】患者が多いのが特徴なんですって。
その割合は4割!!新たなHIV感染者の40%、半分近くがすでにエイズを発症しているというのは
大変なことです。
なぜなら、HIVウイルスに感染してもすぐにエイズを発症するわけではありません。
HIVウイルスの増殖を抑える薬が開発されているので
生涯にわたって、エイズを発症することなくHIVとともに生きる患者も増えているからです。
しかし、エイズを発症してしまうとそれを”完治”させることは難しい。
エイズを発症する前にHIVウイルスを抑える投薬治療を受けることが大切です。
感染に気づかない隠れHIV感染者が
九州だけでなく、日本各地への移動をする可能性もあります。
HIVに感染したらどんな症状があるのでしょうか?
いきなりエイズになってしまう人も現実にいるので
エイズを発症したらどんな初期症状があるのかも合わせてまとめてみます。
Contents
HIV感染者とエイズ患者との違いは?
HIVとは?
HIV感染者とは、Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)というウイルスに感染した人です。
HIV陽性というと、つまりは、HIV感染者ということになります。
Tリンパ球やマクロファージ(CD4陽性細胞)などに感染するウイルスですが、
これらの細胞は私たちの体を悪い菌やウイルスから守ってくれる免疫機能を司っています。
HIVに感染するとこのウイルスが直接の死因になるのではなく、
免疫力が極端に低くなり、合併症にかかりやすくなったり、
エイズを発症することによって命を落と病気です。
エイズを根治させる薬はありませんが、
HIVウイルスの活動を抑える薬は開発されています。
エイズの発症を大幅に遅らせることができます。
エイズとは?
HIVウイルスがTリンパ球やマクロファージ(CD4陽性細胞)などに感染すると
免疫システム司る細胞がやられていくので
抵抗力がどんどん落ちていきます。
健康な人ならかからない病気でも、簡単にかかりやすくなります。
この状態をAIDS(エイズ)
Acquired Immuno-Deficiency Syndrome 後天性免疫不全症候群
と呼びます。
エイズには、
- 急性感染期
- 無症候期
- 発病期
と段階があります。
エイズには23の定められた疾患があり、
HIVに感染してから、それらのいずれかを発症するとエイズ発症、エイズ患者となります。
HIVに感染してから何年も発症までかかるケースが多い。
感染したと認められてから長期間経過した後に、以下の23の疾患(AIDS指標疾患という)のいずれかを発症した場合にAIDS発症と判断される
- カンジダ症
- 壊疽
- クリプトコッカス症
- ニューモシスチス肺炎
- コクシジオイデス症
- ヒストプラズマ症
- クリプトスポリジウム症
- トキソプラズマ脳症
- イソスポーラ症
- サルモネラ菌血症
- サイトメガロウイルス感染症
- 化膿性細菌感染症
- 帯状疱疹/単純ヘルペスウイルスなどヘルペスウイルス感染症
- 活動性結核 (active tuberculosis)
- 非定型抗酸菌症
- 反復性肺炎
- リンパ性間質性肺炎・肺リンパ過形成
- カポジ肉腫
- 原発性脳リンパ腫
- 非ホジキンリンパ腫
- 浸潤性子宮頸癌
- 進行性多巣性白質脳症
- HIV脳症
- HIV消耗性症候群
ですから、
HIV感染者はエイズ患者ではなく、
HIV感染はしているけど、エイズは発症していない人は、HIV感染者として報告され、
HIV感染し、すでにエイズを発症している状態で検査で陽性反応が出るとエイズ患者として報告される
ということになります。
九州の福岡でHIV感染者・エイズ患者が61%増!
画像元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170919-00010000-nishinpc-soci.view-000 rel=”nofollow”
九州の中でも、福岡でのHIV・エイズ患者が急増しています。
熊本での患者数の増加も顕著です。
佐賀も前年から急増しています。
2016年、福岡市に新たに報告された
HIV感染者は35人
エイズ患者は28人
両者を合わせた新規報告者数は63人
これは、過去最高の報告数です。
さらには、
新規報告数のうち,症状がでた後に報告される「エイズ患者」の割合が44%となっています。
検査で【いきなりエイズ】と判明するケースですね。
2015年、福岡市で報告されたHIV・エイズ患者数は
HIV感染者は20人
エイズ患者は7人
両者を合わせた新規報告者数は27人
福岡では、
2015年のHIV感染・エイズ患者の数が27人から63人に急増したんです!1
2倍どころの増加ではありません。
これは大変です。
2015年 日本全国で報告された新規のHIV・エイズ患者数は、
HIV感染者は1006人
エイズ患者は428人
両者を合わせた新規報告者数は1434人
日本全体でみてもHIVに感染、またはエイズを発症している人が
合わせて1434人もいるんです!!
1年で1434人増えている。
毎年、日本では1500人近くの新規HIV感染・エイズ患者数が増加しているって
怖くありませんか??
九州福岡でHIV感染・エイズ患者数の感染経路は?
国内での男性同性間による性的接触
が主な感染経路です。
HIV感染者の国内感染は31人、海外感染は1人、不明は3人。
エイズ患者の国内感染は22人、海外は6人。
海外で感染している人もいますが、
国内でのHIV感染がほとんどです。
ちなみに、HIV感染の原因には、
- 性的感染
- 血液感染
- 母子感染
があります。
九州福岡でHIV感染・エイズ患者数の年代・性別は?
10歳代から50歳以上まで幅広い年代がHIV感染・エイズ患者として報告されましたが、
HIV感染者で一番多かったのは、
20~20歳の男性 13人
30~39歳の男性 9人
内訳は、
- 20歳未満 男性 1人
- 20~20歳の男性 13人
- 30~39歳の男性 9人
- 40~49歳の男性 6人
- 50歳以上の男性 6人
合計 35人
女性のHIV感染者報告は0人です。
エイズ患者で一番多かったのは、
30~39歳の男性 8人
50歳以上の男性 8人
内訳は、
- 20歳未満 男性 1人
- 20~20歳の男性 4人
- 30~39歳の男性 8人
- 40~49歳の男性 7人
- 50歳以上の男性 8人
合計28人
女性のエイズ患者報告は0人です。
つまり、2016年の福岡のHIV感染・エイズ患者の報告は
63人すべて男性ということになります。
九州福岡でHIV感染・エイズ患者数が急増した理由は?
専門家は、感染者の多いアジアとの往来が増えてウイルスが持ち込まれるケースや、予防啓発活動の不十分さが一因とみている。
確かに福岡はアジアに近い位置にあり、
空港もあります。
実は、福岡でHIVに感染する人が増えてきた理由に、
中国との関係があるのでは?という意見があります。
あくまでも、推測の域は超えませんが、こういう噂もあるということですが・・・。
もっとわかりやすくいうと、
中国からの観光客からHIVウイルスが持ち込まれた可能性があるようなのです。
日本で梅毒が流行ったときに、
同時期に中国でも梅毒の患者が増えていたこと、
そして、中国人の観光客は福岡の風俗を利用している率が高かったことが影響していたそうなんです。
これが、今回のHIVの患者の増加も
この中国人の観光客からもたらされたのでは?という見方ができるのでは?ということらしいです。
実は、中国ってエイズ患者が激増している国の1つなんですね。
2014年は、1年間で10万人以上が新規にHIVに感染したと報告されたそうですが、
10万人ってめちゃくちゃ多いですよね。
確かに中国は人口が多いですが、それでも多すぎませんか?
今回、2016年の福岡でのHIV感染者全員が男性であったこと、
国内での男性同性間の性的接触が原因で、
福岡でHIV感染・エイズ患者が急増した背景を考慮すると
理由は、福岡地域での男性間の性的接触が多かったのではと推測されます。
では、どうして2016年になって急にHIV感染が増加したのか?と考えると
どこからかHIVウイルスがもちこまれたと考えることが自然なのではないでしょうか?
近年、中国ではゲイやバイセクシャルの人が増えているといわれていますが
同性間の性的接触が増えてきたこと、
そういった人が中国人観光客として福岡で風俗を利用することにより
HIV感染が広がったのかもしれないと考えられているようなんですね。
男性間での恋愛への偏見がこのHIV感染・エイズ患者の急増によって
生まれることが懸念されますが
しっかりHIV予防をすることと、検査の徹底実施をすることが大切です。
むやみに恐れるよりも、まずは正しい知識を身に着ける。
とにかく予防に徹する。
そして、勇気を出して検査に行く。
感染を広げない仕組みを作らなくてはいけませんね。
HIV感染からエイズ発症の過程は?
HIVに感染してからエイズを発症するには、
- 急性感染期または感染初期
- 無症候期
- 発病期
の段階があります。
HIVウイルスに感染してから1~3か月はウィンドウ期間と呼ばれ、
HIV検査では陽性と出ないこともあります。
ここが、HIV検査の難しいところですよね。
1回目の検査で、HIV陰性だと安心しても、3か月には陽性反応が出る可能性があります。
HIV感染からエイズ発症までは、長い人は10年以上あったり、
短い人は数年ということもありますが、
HIVに感染してから体内では、HIVウイルスがTリンパ球に感染し増殖を繰り返します。
無症候期でも、毎日100億個のHIVウイルスが増殖をしているというから恐ろしいです。
しかし、50~90%の人は、HIVに感染すると急性期に発熱などのインフルエンザに似た症状を示すそうです。
エイズ発症の初期症状は?
HIVウイルスに感染しても5~10年は無症状のことが多いんですが、
HIVに感染してから2〜6週間(急性期)に
インフルエンザに似た症状が出ることが多いのだそうです。
具体的には、
- 発熱
- リンパ節腫脹
- 咽頭炎
- 皮疹
- 筋肉痛
- 頭痛
- 下痢等
この急性の症状は、
数日 ~10週間程度で症状は軽くなり、
体内で抗体が作られるため、いったん症状が治まったように見える長期の無症候性感染期に入るので
HIV感染には気付きにくい。
人によっては、全身性の斑状丘疹状の発疹がみられることがあったり、
多発性神経炎、無菌性髄膜炎、脳炎症状が出る人もいます。
確かに発熱やのどの痛みではHIV感染を疑うことは少ないですよね。
エイズを発症するとどんな症状がでる?
気づかないうちにHIVに感染し、
体内でウイルスが増殖していくと免疫力が落ちていきます。
普段はかからないような病気にもかかりやすくなるため
なんらかの症状を示すようになります。
具体的には、
- 全身倦怠感
- 体重の急激な減少
- 慢性的な下痢
- 極度の過労
- 帯状疱疹
- 過呼吸
- めまい
- 発疹
- 口内炎
- 発熱
- 喉炎症
- 咳など、風邪によく似た症状
- 顔から全身に脂漏性皮膚炎
最近、体調が悪いなと病院に行って検査をしたらエイズを発症していた…
今回の福岡のいきなりエイズ患者が44%いたというのはこういった症状で医療機関を受診した人かもしれません。
エイズを発症しても抗HIV薬の服用により症状を抑えることができますが、
発症前のほうが効果が高いといわれています。
HIV検査はどこでできる?
保健福祉センター(保健所)で無料・匿名で受けられます。
検査結果は1~2週間後にご本人に直接説明、
または検査当日に結果がわかる即日検査を実施しているところもあります。
日本全国のHIV検査ができる場所がわかる
HIV検査相談マップが便利です。
まとめ
知らないうちに誰かにHIVを移してしまい、
どんどん感染者が増えるのが怖いですね。
今回の報告も、
まだHIVに感染していることに気づいていない人がかなりいるだろうと予想されています。
本当のHIV感染者の数はもっともっと多いのかもしれません。
日本でもHIVの予防にもっと力をいれていかなくてはいけませんね。
私も出産のときにHIV検査をしましたが
結果を聞くのが怖かったです。
大丈夫だろうと思っても、わかりませんよね。
一度、HIV検査にいってみましょう!!
これ以上感染を広げない取り組みが必要です。
参考サイト:
http://www.hivkensa.com/whatis/
https://ja.wikipedia.org/wiki/後天性免疫不全症候群