鶴ひろみ発症の大動脈解離の前兆は?治療法と生存率は?何科受診?
声優の鶴ひろみさんの急な訃報はとてもショックでした。
アンパンマンのドキンちゃんは
子供たちがまだまだ大好きななのでよく耳にしているので
すぐに声が思い出せます。
ドラゴンボールのブルマの声も
自分が子供のころから見ていたので
目を閉じればすぐに声が思い浮かぶくらいです。
実は今日まで知らなかったのですが、
幼い頃に観た覚えがある火の鳥 ヤマト編のカジカ役の声優を
鶴ひろみさんが務めていたんですね
幼心にも命というテーマで少し悲しい場面もあったように思うのですが
何度か観たなぁという思い出があります。
鶴ひろみさんのお顔は実は知らなかったのですが、
声だけはすぐにわかる。
まだ57歳という若さでの【急性大動脈解離】という病名に
とても驚きました。
鶴ひろみさんの訃報で
【大動脈剥離(はくり)】と報道されている場合もありますが、
正しくは、【急性大動脈解離(かいり)】だそうです。
急性動脈瘤解離が起こると
かなりの激痛で、ショック死することもあるほどの痛みが発生すると聞き、
その中でも首都高速で車を路肩に止め、
ハザードをたいた車内で見つかった鶴ひろみさん。
他のひとに迷惑をかけないようにと
配慮されての行動だったのでしょうが、
壮絶な痛みの中でも、後続車に配慮するその人柄に
なんとか救命することはできなかったのかと気になり
急性大動脈解離の前兆症状や、
治療法、生存率など気になったことを調べてみました。
何科の病院を受診すればいいのか
今後の知識と知っておきたいので備忘録としてまとめてみます。
Contents
鶴ひろみさんの急性大動脈解離は救命できなかったのか?
自宅や職場などではなく、
ひとりで運転している首都高速道路というタイミングは
誰かに救急車を呼んでもらうことが難しかったとは思うのですが、
もしかしたら、鶴ひろみさんの命は救うことができたのではないかと
気になってしまって…
急性大動脈解離を発症し、生還している芸能人には誰がいるのか調べてみました。
亡くなっている人も多い病気ではありましたが、
生還している人も芸能人にいて、
すぐに医療機関を受診すれば助かる可能性もあったかもしれません。
【急性大動脈解離】から生還した芸能人は?
石原裕次郎さん
1981年に46歳で急性大動脈解離を発症し、成功率3%の難手術に成功し、生還。
その後、1987年7月17日に肝がんで亡くなっています。
52歳の若さでした。
加藤茶さん
2006年63歳で大動脈解離の大手術をしています。
前年の2005年にテレビ番組で人間ドックを受診したときに狭心症が見つかり
手術・治療していましたが、翌年ロケ先の名古屋のホテルで急性大動脈解離を発症。
そのときの痛みは胃のあたりに激痛を感じ、
丸太棒で背中、肩をなぐられるような痛みだったそう。
発熱もして、一睡もできないほどの痛みに耐えながらも
病院に受診したのは半月後!!!!
手術は10時間にも及び、
加藤茶さんの心臓は止められ、脳にだけ血液を送る状態で進められました。
それほどまでの大手術からの生還だったんです。
大木凡人さん
2015年1月に大動脈解離を発症。
69歳でした。
大木さんの場合は、
1週間ほど胸が苦しくなることが続いていて、
2015年1月19日に、トイレにいった大木凡人さんは、
胸がバリバリと音を立てて張り裂けるような激痛に襲われ、
119番に。
すぐに手術になりましたが、
なんと心臓のすぐ左にある大動脈が60センチも破れていたそう!!
手術箇所は、左腕と右太腿にある動脈でしたが、
左腕は切断の可能性すらあったそうなんです。
大木凡人さんの場合は、
激痛に襲われながらも自ら119番通報できたことが
生還の分岐点だったようです。
笑福亭鶴瓶さん
2015年12月29日に千葉県内のゴルフ場で
激しい背中と腰の痛みに襲われ、
ドクターヘリで救急搬送された笑福亭鶴瓶さん。
63歳でした。
手術はせず、3週間の入院、安静で治療しました。
急性大動脈解離からの生還には迅速な医療機関への受診・治療が必要!
こうして、急性大動脈からの生還を果たした人をみると
医療機関への受診、または手術によって救命されています。
鶴ひろみさんの場合も、
もし、救急車を呼ぶことができたなら…
もしも、仕事場だったらなら…
そんな思いにかられてしまいます。
先ほどの芸能人の例でみると
46歳の石原裕次郎さんは特に若いという印象ですが、
あとの方は60代での大動脈解離を発症しています。
どの年齢が大動脈解離を発症しやすいのでしょうか?
名前は聞いたことがある病気ですが、
私は、それに関する知識は一切ないので
わかりやすく、家族などが発症した場合にどのように対処すればいいかを
知るために備忘録としてまとめていきます。
大動脈解離を発症しやすい年齢は?
男女とも60代~70代、特に70代が大動脈解離の好発年齢。
60代未満の発症では、男性のほうが発症確率が高い傾向がありますが、
だんだんと男女の差がなくなっていくそうです。
おじいちゃん、おばあちゃんの症状に特に気を付けるべきなんですね。
過去の芸能人の症例をみていると、男性のほうが若干多いかなという印象は受けます。
大動脈解離を発症しやすい季節・時間帯は?
大動脈解離を発症しやすい季節は冬。
夏場に比べて、冬のほうが発症しやすくなっています
冬はヒートショックなどにも気を付けなければいけませんね。
血管系の病気は冬には要注意なんですね。
時間帯は、日中が多く、
特に朝6時~12時までが多くなっています。
深夜~早朝の大動脈解離を発症報告は少ない。
これは日中は活動が多いのに対して、
深夜~早朝は就寝中で安静状態にあることが多いからだと考えられますね。
大動脈解離を発症した場合の生存率は?
東京都監察医務院における報告によると病院着前死亡は、61.4%という報告が!!
大動脈解離の発症から死亡までの時間の関係は、
発症から死亡まで
1時間以内7.3%
1~6時間は12.4%
6~24時間は11.7%
病院着前死亡とあわせると,93%が24時間以内に死亡という怖い病気なんですね。
大動脈解離、大動脈瘤の発症件数は、
10万人に3人程度という割合での発生だといわれています。
鶴ひろみさんも発症した大動脈解離の手術件数は、
年間約5000件あるそうです。
参考サイト:大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン
いったん発症してしまった場合は、
一刻も早い治療が受けられるかで生存率が異なってきたり、
血管の損傷場所によっても異なってくるので
一概に生存率は何%と言い切ることは難しいようです。
特に急性大動脈解離の場合は、
Stanford A型のほうが生存率は低く、つまり死亡率が高くなっています。
Stanford B型のほうが生存率は高いということになります。
家族が胸の痛みを訴えるなど、大動脈解離かも?と疑うときは、
救急車を呼ぶなり、救急に行くなり、
迅速に医療機関を受診したいですね。
大動脈解離の前兆の症状はどんなものがある?
無症状のまま、大動脈解離を発症する人もいますが、
多くは、
突然の激しい胸、背中、腰、肩周辺の痛みを訴える人が多い。
大動脈解離の患者の70~80%は
胸や背中に痛みを感じています。
1つの前兆として覚えておくといいですね
痛みの表現としては、激痛で
- バリバリと裂けるような痛み
- 棒で殴られるような痛み
- もだえるほどの激痛
- 今まで経験したことがないような痛み
などと例えられています。
胸や背中の痛みは必ず受診したほうがいいですね。
とはいえ、
急性大動脈解離を発症した場合は、
無症状の元気だった人が突然…という場合もあるので
とにかく医療機関を一刻も早く受診することが大切です。
大動脈解離を発症した場合、
血管がどんどんと裂けていくので、痛みが移動するので
時間の経過とともに痛みが移動する場合も、
大動脈解離を疑って医療機関を受診したほうがいいでしょう。
大動脈解離ってどんな病気?
大動脈というのは、
心臓から全身に血液を送る一番太い血管です。
よく動脈を損傷すると出血がひどいといいますが、
血管には動脈、静脈がありますね。
その動脈でも一番太いものが大動脈で、その血管内に傷ができてしまい、
血管が裂けてしまうのが大動脈解離なんですね。
大動脈は、内膜・中膜・外膜と3層構造になっていて
内側についた傷により、血管中の膜がはがれてしまうこと=解離というのは発症の仕組みです。
血管が裂けるために、どんどんと裂けていくために
痛みが移動していき、裂け目が大きい場所では大動脈瘤ができてしまうことがあり、
それが破裂したりと命にかかわる病気ですが、
大動脈解離には発症からの時間経過により
急性の場合と、慢性の場合と分けられたり、
亜急性期を入れると3種類と分類され、
発症した部位によって
Stanford A型、Stanford B型とタイプが分類されます。
Stanford A型急性大動脈解離の場合は、
予後があまりよくないタイプで、致死率も発症から1時間あたりで1~2%と
致死率も高く、その死因は
破裂,心タンポナーデ,循環不全,脳梗塞,腸管虚血などがあります。
Stanford B型急性大動脈解離の場合は、
比較的自然予後がよいため、手術などの外科治療ではなく
内科治療が選ばれることも少ないんだとか。
タイプだけでなく、
大動脈解離を発症する箇所によって
合併症も異なってきます。
頸動脈に解離が起こると、脳障害を起こしたり、意識消失したり
腹部への動脈であれば、腸管壊死したり、
足への動脈であれば、下肢に激痛が見られ、下肢が壊死することもあるというんです。
同じ大動脈解離でも血管が裂ける場所によって
そのあとに起こる症状が異なってくるので
大動脈解離は胸が痛いはず…と思いこまずにとにかく早く病院へ急がなければいけないですね。
大動脈解離の発症を高めるリスクにはどんなものがある?
元気な人が急に発症することもある大動脈解離ですが、
- 飲酒
- 喫煙
- 不規則な食生活
- ストレス
- 高血圧
など
大動脈解離の発症確率を高めるリスクファクターも存在します。
特に高血圧の人は気を付けなければいけません。
もしかして大動脈解離?!病院は何科を受診すべき?
大動脈解離かもしれない??と疑うときは、
一刻も早く医療機関を受診することが命を救うことにつながる大動脈解離。
救急車で医療機関に運ばれる場合は、別として
自分で医療機関を受診するときは、
循環器内科
心臓血管外科
の受診が適しているそうですが、
近くにない場合は、
心臓内科
循環器科
などでひとまず受診してみてもらうことですね。
大動脈解離の治療は?
大動脈解離だからといって必ず手術するとは限らず、
笑福亭鶴瓶さんのように入院だけで治療する場合もあるようです。
画像元:http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2011_takamoto_d.pdf
急性と慢性があり、
発症から2週間以上経っているのかどうかが急性と慢性の判断の分かれ目で
慢性ならば内的な治療方法が選ばれることも多く、
急性の場合は手術になる可能性が多いようです。
急性にも、2種類あり、
Stanford A型ならば緊急手術で人工血管置換手術など、
Stanford B型ならば保存的な治療法が選択されることが多く、投薬で血圧を下げる治療を行うなど
大動脈解離と一言にいっても
治療方法は異なるようですね。
ケースバイケースで治療法が異なりますが、
まずは症状をよく調べるために、
CT、超音波検査、MRIなど
体の内部を調査し、手術の必要があるのか、
どこを手術するのか、どこの血管が損傷しているのか調べる必要があります。
血圧の上昇を抑える治療のほかには、
動脈瘤の破裂や、再度解離することを防いだりと
治療には手術以外にもいろいろとあるようです。
まとめ
大動脈解離を発症しても生還する人もいるのは事実ですが、
迅速な医療機関での治療が生死の分かれ目になるようです。
周りの人で
胸や背中の痛みを訴えている人がいたら、
すぐに医療機関を受診するように勧めようと思いました。
その病気をよく知ると、
自分を含め、家族や友人など
あれ?もしかして?と気づくきっかけになりますね。
壮絶な痛みがあるであろう中、
他人を思う行動をされた鶴ひろみさんを
本当に尊敬します。
子供たちが愛するドキンちゃんはとても素晴らしい女性の声なんだよと
大きくなったら伝えたいです。
鶴ひろみさんのご冥福をお祈りします。
長い間、子供たちの大好きなドキンちゃんとして
楽しませていただき、本当に感謝しています。