ネパール生き神クマリの選び方!32個も条件が!任期や退任後は?
2018/02/01
ネパールのクマリに選ばれた3歳児のニュースを聞いて
第一印象は「クマリに選ばれてかわいそう!」
ネパールの生き神「クマリ」という言葉を聞いたことがありますか?
初潮を迎える前の少女が選ばれ、ヒンズー教の女神「タレージュ(Taleju)」の化身として
その任務を終えるまで親元を離れて暮らすクマリに、
このたび、3歳の女の子が選ばれました。
選ばれたのは、トリシュナ・シャキャ(Trishna Shakya)ちゃん。
今後は、ロイヤル・クマリとして、
カトマンドゥのクマリの館と呼ばれる宮殿で付き人にお世話をされながら生活し、
外出は特別な儀式など年に13回と聞いて、
3歳でロイヤル・クマリに選ばれ、
初潮が来るまで、もしくは乳歯の生え変わりまでその任務を務めるとして、
数年は生き神「クマリ」として親元を離れて暮らすって
名誉なことだろうけど、幼くしてクマリに選ばれた本人にとっても
親にとってもつらいことなのではないかと感じました。
何より、ロイヤル・クマリってどうやって選んでいるの?
私だったら、子供がクマリに選ばれないように
あえてその条件を満たさないようにしてしまうかも…と
同じ年頃の子供を持つ親としては、クマリの選別条件が気になったので
調べてみました。
Contents
ネパールの生き神「クマリ」って何?
クマリは、英語ではKumariと表記。
ネパール王国の守護神として、女神タレージュの生まれ変わりとされる生きた女神のこと。
Kumariとは、「処女」という意味があるそうです。
クマリには、ロイヤル・クマリと、ローカル・クマリがいる。
ネパール国王もひれ伏すロイヤル・クマリは、
カトマンドゥのクマリの館と呼ばれる宮殿で暮らし、国の預言者としての役目を果たす。
ロイヤル・クマリは1人、
ローカル・クマリはネパール国内に10人ほどいるという。
ネパールの生き神「クマリ」の役割は?
多くの人々から信仰を集め、絶大な力を持つクマリ。
人々の病気の治療や、願いを叶える手助けをする。
インドラ・ジャートラーの祭りでは、
山車に乗りカトマンドゥの町を巡り人々の繁栄と成功の力を与える重要な役目を果たす。
預言者として、供物を受け取り、
その行動によって預言をする。
英語の動画ですが、クマリの動画やお祭りはこちら
ネパールの生き神「クマリ」の独特なメイク
画像元:https://nepaliaustralian.com/tag/how-kumari-is-chosen/
画像は、2010年~2014年までロイヤル・クマリをつとめた
Samita Bajrachraryaさん
クマリになると、独特のメイクを施される。
額に描かれたものは、agni chakchuu または、 “fire eye” と呼ばれる。
日本語だと火の目でしょうか。
公衆の面前に出るときは、クマリ独特のメイクと衣装を着ることになる。
クマリの独特の衣装。赤が基調で、華やかな髪飾りが施されている。
画像元:https://nepaliaustralian.com/tag/how-kumari-is-chosen/
儀式のときのクマリの衣装
画像元:https://www.thelongestwayhome.com/blog/nepal/kumari-living-goddess-samita-bajracharya/
最新ロイヤル・クマリに選ばれたのは3歳のトリシュナ・シャキャ(Trishna Shakya)
2017年9月28日、
新たにロイヤル・クマリに選ばれたトリシュナ・シャキャ(Trishna Shakya)ちゃんが
任命の儀式に挑んだ時の写真。
画像元:http://news.livedoor.com/article/detail/13677929/
父親のコメントは、
「複雑な気分だ。娘がクマリになったのは良いことだが、私たちの元から離れてしまう寂しさもある」
さみしいですよ!!
3歳なんてまだまだママ、パパが恋しい時期。
親からしても一番かわいい時期でもあります。
初潮を迎えるまでクマリとして、
宮殿で生活するとなると初潮が来るのが早い子は10歳前に来るし、
12~13歳が多いかなという印象ですが、
あと7~10年くらい離れて暮らすんですよ!
最近では1週間に1回は母親に会えたり、家族で一緒に暮らす場合もあるそうです。
ローカル・クマリの場合は、普通に学校にも通い、
友達と遊んだりもしていたって普通の生活を送れるそうです。
ロイヤル・クマリの場合では、
友達は宮殿に招待したり、勉強も宮殿内でするなど
普通の子供としての生活は難しいようです。
子供が子供らしい時期を
クマリとして捧げる。
ロイヤル・クマリは、外出は年に13回と言いますから、親としては
子供が自由に駆け回り、子供らしく過ごす時期を一緒に過ごせないのは
さみしいなと切なくなりました。
確かに名誉なことですけどね・・・。
いったいどうやってクマリは選ばれているんでしょう?
ネパールの生き神「クマリ」に選ばれる条件は?23個も条件があるらしい!
クマリに選ばれるには、23個の条件やテストがあるそうです。
いろいろと調べてみましたが、23個全部は見つかりませんでした。
2.処女である
3・健康である
4.白い歯で、隙間がないこと
5.20個歯が生えそろっていること
6.傷のないからだ
7.ベンガルボダイジュ(バンヤンツリー)のような身体
8.牛のような睫毛
9.獅子のような胸
10.鹿のような脚
11.ほら貝のような首
12.あひるのような柔らかく透き通り、響き渡る声
13.黒い髪
14.漆黒の瞳
15.モナリザのような笑顔
16.長く細い腕
17.やわらかい手足
18.ブラックナイトと呼ばれる儀式で108頭のヤギやバッファローが捧げられ、マスクをした男性が躍る中恐れを見せないこと
19.ヤギやバッファローの頭が並んだ暗い部屋で一晩一人で恐れを見せず過ごせるか
20.最終テストとして前クマリの所有物を目の前に並べられた複数物から選べるか
21.仏教徒であること
過去のネパールの生き神「クマリ」リスト!任期の長さは?
画像元:https://en.wikipedia.org/wiki/Kumari_(goddess)
一番短い任期で1年、
長いと8,9,10年の場合もありますね。
前クマリのYumika(ユミカ)さんの動画、7歳の時。
ネパールの生き神「クマリ」の解任・退任のタイミングは?
初潮を迎えるタイミングや、乳歯の生え変わるタイミングなどだそうです。
”クマリとしての神聖さを保つこと”が重要視されているようですが、
中には初潮がずっと来ないで、50年もクマリを務めた女性もいるようです。
ネパールの生き神「クマリ」のその後は?元クマリの少女のケース
退任したクマリには毎月7500ネパール・ルピーの恩給が支払われるそうです。
ネパールの平均月収は地域や仕事によってかなりの差がありますが、
平均的には15000ネパールルピーくらいのようです。
となると7500ネパール・ルピーは若い女性としての月収ではかなり良いほうなのではないでしょうか?
退任するのが10歳くらいだとしたら、10歳の女の子がそんな額をもらえるのは
家族にとっては大きいでしょうね。
画像元:https://www.thelongestwayhome.com/blog/nepal/from-living-goddess-to-former-kumari-schoolgirl/
2010年~2014年までロイヤル・クマリをつとめた
Samita Bajrachraryaさんは、初潮が来たためにクマリを退任。
現在は、サミタさんは、学校に通う典型的なスクールガールに!
音楽の発表会などに参加したり、友達と遊んだり
普通の女の子の生活を楽しんでいるそうです。
家族も元クマリの娘をとても誇りに思っているそうです。
クマリ時代の面影がありますね!
大きくなりました~
画像元:https://www.thelongestwayhome.com/blog/nepal/from-living-goddess-to-former-kumari-schoolgirl/
Samita(サミタ)さんは、もっとも美しいクマリと言われていました。
まとめ
クマリの人権への懸念はありますが、裁判になったこともあり、
それにより勉強や行動、食事などの自由は認められるべきだとの判決がでているので
3歳の子供がクマリに選ばれてもずっと親と会えないわけではないようですね。
国が変われば、信仰の対象も変わります。
ネパールでの価値観を知るよいきっかけになりました。
どうしてもクマリのメイクが、
ワンダーウーマンに見えてしまうんですけどね。