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O157の後遺症・死亡例まとめ!学校給食が原因の集団食中毒例

2017/09/14


O157による食中毒で気になるのは症状や潜伏期間、治療法のほかに

どんな後遺症があり、死亡例がかなりあるのかということ。

万が一、O157感染症にかかってしまったら

後遺症の確立や致死率などは知識として知っておきたい!

 

とにかく予防が大切なのはもちろんですが、

O157の恐ろしさをしっかり知っているか知らないかでは

予防への気合が変わってきますよね。

 

過去、O157による集団食中毒ではどんな後遺症・死亡例が報告されていているのか

調べてみました。

 

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Contents

O157による食中毒での後遺症・死亡例の事例【過去最悪のO157食中毒事件】

日本で報告されているO157による集団食中毒での後遺症・死亡例をまとめました。

後遺症としては、HUS(溶血性尿毒症症候群)が報告されており、

脳症の報告は記述がありませんでした。

 

O157感染症に感染し、発症した患者のうち10%ほどがHUSを発症し、

うち3%が死亡するという報告もありました。

 

 

1996年7月13日 大阪堺市の小学校給食0157集団食中毒概要

O157感染症の後遺症として一番先に思い浮かぶ症例は、

大阪堺市の小学校の給食によるO157集団感染です。

 

O157による集団食中毒の原因が学校給食であったため、

その被害は、小学校 90校、養護学校 2校にわたります。

 

感染者数も”給食”という原因により、9000人以上に膨れ上がりました。

大阪、堺市の報告によると、感染者は、

 

堺市内の感染者数

児童 7889人、教職員 47人 の計7936人

小学生の家族の二次感染 1,180人

その他市民の感染 376人

計 9492人

 

堺市外の感染者数

児童 3人、教職員 27人、市民1人

 

感染者総計 9523人

 

 

 

その被害は甚大でした。

 

医療機関に受診した患者数は、患者12,680名、有症状者14,153名、検便陽性者2,764名と報告されています。

O157に感染はしたけど、症状が比較的軽かったり、無症状だった人もいたようです。

 

 

この感染者9523人のうち、

入院したのは791人、

 

O157による後遺症の発生は

溶血性尿毒症症候群 (HUS) 発症者121人小学生106人=うち7~12歳の小学女児3人死亡

 

亡くなった女児は、

2人は重症であるという認識をされておらず

HUSを発症しているという発見がされてから治療までが迅速ではなかったこと、

3人目の犠牲者は、半年以上意識不明になったあとHUSが原因で死亡との報告がありました。

 

1996年以前は、O157による集団食中毒ってあんまり聞かなかったけど

この年をきっかけにO157という言葉が知られるようになった年でもあると思います。

それまであまり報告例がなかったため、

治療法が医師の中でも把握されていなかったのかもしれませんね。

 

堺市の事例では9000人以上の患者数を記録しており、

医療機関のパニックはニュースで観ましたがすごかったです。

救急車がひっきりなしに出動し、

トイレが足りなくなり、血便で子供たちは真っ赤という

すさまじい状況だったそうです。

 

 

さらに2015年10月、事件から19年を経て後遺症による死亡例が報告されました。

1996年7月、堺市で学校給食などで児童ら9千人以上が感染したO157による集団食中毒で

感染した小学1年生の女児が、

O157 感染症が重症化しHUSを発症して60日間入院したのち、

その後、25歳になったあとに後遺症である腎血管性高血圧による脳出血での死亡例。

 

 

O157感染から約20年後に後遺症で亡くなるという衝撃的な例ですね。

 

この堺市の事例では、腎臓がダメージを受けたのが原因の慢性腎炎高血圧

4名の女性が今なお闘病中であると伝えられています。

 

堺市からの補償が確定した遺族や患者は約9100人にのぼり、

市が支払った額は計約7億円と言われています。

 

20年経った今もこの事件は解決していないというところが

O157の怖さを物語っています。

 

小学生という未来への希望がたくさんつまった年齢でのO157感染によって

大きく人生を変えられてしまいましたね。

 

堺市のO157食中毒の事例では、

その後、給食が食べられなくなってお弁当を持参したり、

生ものが食べられず、加熱した食材しか口にしない、

食中毒が発生した7月頃になると腹痛を訴えるなど

子供のPTSDが問題になっていました。

 

 

堺市のO157による集団食中毒の原因食品

学校給食に7月7日、8日、及び9日に出荷されたかいわれ大根が最も可能性が高いと報告されたが、

因果関係が立証できず、かいわれ大根への風評被害などさらなる問題が起きました。

かいわれ大根業者は次々に倒産し、社会問題になりましたね。

結局、原因になった食材は判明していないままです。

 

 

 

O157による食中毒での後遺症・死亡例の事例【死亡者数の多い事件TOP3】

 

1位 2002年8月5日宇都宮の病院、老人保健施設で発生したO157による集団食中毒事件

2002年7月29日、に老人保健施設で昼食に提供された香味和えが原因。

123人発症。9人が死亡。

【死亡者内訳】

女性7名(58~98歳)

男性2名(73、 74歳)

 

この昼食を喫食した人数は 876名(入院者・入所者等719名、 職員157名)で、 発症者は123名(入院者・入所者等114名、 職員9名;発症率14%)であった。主な症状は、 下痢(50%)、 血便(46%)、 腹痛(29%)、 発熱(17%)、 嘔吐(8%)

引用元:http://idsc.nih.go.jp/iasr/23/274/kj2743.html

 

 

 

宇都宮の老人保健施設のO157集団食中毒事件の原因

当日は調理室が30℃を超えており

温度が高いほどO157菌は活発に増殖し、

30℃で2時間では10倍、4時間では100倍と調理室内の気温の上昇が原因とみられている。

 

 

2位 2012年8月7日札幌の高齢者施設を中心とする白菜浅漬けO157集団食中毒事件

岩井食品”白菜きりづけ”によるO157集団食中毒事件では、

169人が発症、8人が死亡。

 

感染者の多くは、

高齢者施設の入所者70~100歳代で

食事として提供されていた白菜の浅漬けが原因。

 

同じ漬物がスーパーでも販売され

それを食べた4歳女児が死亡している。

女児は8月6日に漬物を食べ、5日後の11日に死亡。

 

 

札幌の白菜の浅漬O157集団食中毒事件の原因

白菜を漬け込んだ日は販売先のスーパーの特売に備えてふだんの2倍以上の浅漬けを製造したため

通常の2倍となる約270キロの漬物を製造したことで消毒液の濃度が薄くなり、

殺菌力が弱まったことが原因となった可能性があるとの見解。

 

この事件を機に、浅漬けの衛生管理が厳格化された。

 

 

3位 2011年4月 焼肉酒家えびすO157,O111集団食中毒事件

2011年4月、富山県の焼肉酒家えびすの生食用ユッケなどを食べた181人が食中毒症状を示し、

6歳男児2人を含む男女計5人が死亡。(富山、石川、福井、神奈川の4県)

【死亡者の内訳】

  • 6歳男児2名
  • 14歳男子1名
  • 43歳女性
  • 70歳女性

 

 

焼肉酒家えびすで提供されていた和牛ユッケは、1皿280円。

このユッケが5人もの命を奪いました。

 

その1人、14歳の中学生は14歳の誕生日で来店し

O157に感染、命を落としました。

犠牲者の1人、14歳の久保大貴(ひろき)くんは、

14歳の誕生日を祝うために来店し、和牛ユッケを食べた翌日、

腹痛、頭痛、嘔吐の症状を示し、胃腸薬を飲み自宅で安静に。

 

ユッケを食べてから3日目、

やっと医療機関を受診するも原因がわからないまま帰宅。

 

そして、ユッケを食べてから4日目、

大貴くんは血便の症状で再度、受診。

すさまじい腹痛は、家族全員を襲い、

この時点での検査により家族全員に腸管出血性大腸菌O157が検出された。

 

ユッケを食べてから6日目、

大貴くんは、O157感染症による合併症HUS(溶血性尿毒症症候群)を発症。

その後まもなく、意識不明に陥り、

自発呼吸ができなくなってしまう。

 

その後、5日間にわたり昏睡状態に陥った大貴君は、

ユッケを食べてから11日目、なんと脳死判定を受けてしまう。

 

脳死判定から6か月後、大貴君は他界。

 

O157による感染症と判断された初期の急激な様態の変化は

大貴君が自宅で下痢止めをを飲んでいたため。

 

厚生労働省が12年7月から牛の生レバーを生食用として販売・提供することを禁止したきっかけになった事件。

 

 

焼肉酒家えびす集団食中毒の原因食品

和牛ユッケ

 

ユッケがどのようにO157に汚染されたかの感染経路は不明のまま。

 

ただし、焼肉酒家えびすの衛生管理はかなりずさんで

  • レバー処理をしたまな板・包丁を共用していた
  • 生肉用の肉のトリミング・衛生検査を未実施
  • 売れ残りのユッケは翌日販売
  • 生肉用ではない牛肉を生肉として販売

と、恐ろしい衛生管理でした。

 

この事件でO157感染された人の中には、

ユッケは食べていないにも関わらず発症した人もいて、

ユッケをつついた箸でほかの食品を食べたことで

ユッケを食べていなくても感染したことが分かりました。

 

 

 

 

 

 

O157感染症による後遺症にはどんなものがある?

 

特に目立つのは”腎臓”への影響で、

腎臓の血管が細くなることで高血圧を引き起こしたりと

腎臓機能の低下による後遺症が多くなっています。

 

脳症を発症した場合には、神経障害など

中枢神経が影響を受けるようです。

 

  • 腎機能の異常
  • 腎機能の低下
  • 慢性腎炎
  • 血尿
  • 高血圧
  • 急性脳症
  • 視力障害
  • 神経障害
  • PTSD

 

給食が食べられない、

発症原因になった食べ物が食べられない

生ものが食べられない

 

など精神的なPTSDも深刻な後遺症ですね。

日常生活に支障がでるので

生活の質に影響してしまいますね。

 

 

平成10年~24年の腸管出血性大腸菌O157による食中毒の発生状況 【厚生労働省発表】

 

2012年までの発表しかありませんが、

感染者数の割には死亡者は多くない印象です。

 

腸管出血性大腸菌O157による食中毒の発生状況
発生件数 患者数 死者数
平成10年(1998年) 13 88 3
平成11年(1999年) 6 34 0
平成12年(2000年) 14 110 1
平成13年(2001年) 24 378 0
平成14年(2002年) 12 259 9
平成15年(2003年) 10 39 1
平成16年(2004年) 18 70 0
平成17年(2005年) 24 105 0
平成18年(2006年) 23 166 0
平成19年(2007年) 25 928 0
平成20年(2008年) 17 115 0
平成21年(2009年) 26 181 0
平成22年(2010年) 27 358 0
平成23年(2011年) 21 614 7
平成24年(2012年) 11 275 8
注)腸管出血性大腸菌O157(他の血清型と同時に分離された場合も含む)による食中毒事件として、厚生労働省に報告があったものを集計した。

出典:http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/daichoukin.html

 

 

 

日本で一番最初にO157の集団食中毒が報告された事件

1990年10月、埼玉県浦和市のしらさぎ幼稚園

O157に汚染された井戸水が原因となった集団下痢症が発生し、

患者数319人、2人の園児がHUSで死亡。

 

この事件ではトイレの汚水タンクに亀裂が入っていて

5mほど離れた飲料水用の井戸水が汚染されたことが原因。

 

この時期10月は運動会の時期であったことから

保護者にも感染者が広がったと言われています。

 

飲用水に井戸水を利用していたことなど衛生管理面に幼稚園側に落ち度があると

保護者たちは幼稚園や県に対し訴えを起こし、

園長が業務上過失致死罪で有罪判決、禁固2年執行猶予4年の判決を受けました。

 

 

1996年は学校給食が原因のO157集団食中毒事件が頻発!

実は、大阪堺市のO157集団食中毒事件が起こった1996年は

O157による集団食中毒が頻発した年でもありました。

 

その多くは学校給食が原因によるもの。

 

1996年5月27日 

岡山県邑久町の小学校給食が原因のO157による食中毒が発生。患者数468人、死者2人 HUS(尿毒症)発症

 

1996年6月 

広島県北部の比婆郡東城町小学校 患者数 185人

愛知県春日井市の中学校 患者数21人

岐阜市の小学校で給食のおかかサラダでO157による食中毒が発生。患者数530人

岡山県新見市の小中学校 患者数364人

大阪河内長野市の保育園 患者数40人

群馬県境町の小学校 患者数144人

 

1996年7月 

上述の大阪堺市でのO157による食中毒が発生。患者数9523人、死者4名。

 

1996年9月

岩手県盛岡市の小学校給食シーフードサラダ 患者数121人

 

1996年10月

北海道帯広市 幼稚園の給食ポテトサラダ 患者数158人

 

 

まとめ

毎年多くのO157による食中毒は起こっていますが、

O157型だけでなく、病原性大腸菌にはいろいろな型があり、

さらにO157が分類される腸管出血性大腸菌にもいろいろあります。

 

それを合わせると恐ろしい数の食中毒が日本各地で毎年起きているんですね。

調べていて恐ろしくなりました。

 

幼い子供、高齢者は本当に重症化しやすく、

HUSと脳症を併発した場合の死亡率はかなり高いようで

不安になります。

O157重症化の脳症で子供の死亡率UP!症状や予兆、治療法は?
外食するときなどは

衛生状態のよさそうなお店を選ぶというのは大切だなと感じました。

 

海外旅行などで屋台のごはん、

安くておいしいけど

子供に食べさせるのがちょっと不安なこの頃です。

 

手洗いを慣行することはもちろん

免疫力を高く保つ食生活を心がけたいと思います。

 

 

 

参考サイト:

http://www.city.sakai.lg.jp/kenko/shokuhineisei/shokuchudokuyobo/hokokusho/index.html

http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/attach/pdf/hazard_microbio-2.pdf

 

 

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