侵襲性髄膜炎菌感染症の症状は?予防接種すべき?
神奈川県の防衛大学校で10代の男子学生が侵襲性髄膜炎菌感染症で亡くなったというニュースを
聞いて初めて侵襲性髄膜炎菌感染症という病気を知った人も多いのではないでしょうか?
私にも幼い子供がいるので不安になり、症状や予防接種、予防対策について調べてみました!
侵襲性髄膜炎菌感染症にかかりやすい年齢もわかっているので
感染経路をチェックして予防に努めましょう!
侵襲性髄膜炎菌感染症はヒトとヒトの間で移る病気ですが、
ワクチンも、予防内服薬もあるんです!
Contents
侵襲性髄膜炎菌感染症ってどんな病気?死亡率は?後遺症が残る?
侵襲性髄膜炎菌感染症は英語ではInvasive meningococcal diseaseです。
侵襲性髄膜炎菌感染症は比較的まれな病気です。
あまり怖がり過ぎなくてもいい感染症だと考えていいでしょう。
世界での発症は毎年30万人でそのうち3万人が死亡しているそうですが、
侵襲性髄膜炎菌感染症死亡率は平均して10~15%と言いますから決して低くはありませんね。
重篤になると死亡率が高くなりますが、致死率は最高で20%程度と考えられています。
侵襲性髄膜炎菌感染症の怖いところは、
治療して治癒しても10~20%は後遺症が残る可能性があるということです。
これは非常に高い割合だと考えられています。
後遺症は、難聴、神経障害、四肢切断と言いますから恐ろしい病気ですね。
予防できるならしっかり対策をしたいところです。
日本では、2013年から侵襲性髄膜炎菌感染症が疑われるときは保健所に届ける必要がある疾患に定められました。
日本の症例数は、神戸市環境保健研究所の報告によると
- 2013年23例
- 2014年37例
- 2015年32例
実際に2017年2月に神戸市では侵襲性髄膜炎菌感染症による4歳の子供の死亡が確認されています。
侵襲性髄膜炎菌感染症の感染に関係している血清群のうち5つが主な原因菌となっていることがわかっています。
A,B,C,Y,Wが主な原因菌です。
この菌が血液や髄液に入って侵襲性髄膜炎菌感染症の症状を引き起こします。
大切なのは、早めに治療を始めることです!
侵襲性髄膜炎菌感染症は多くの抗菌薬がよく効くという病気でもあります。
治療薬があるというのは安心ですね!
とにかく早く治療をするには、どんな症状がでるが知らなくてはいけませんね!
侵襲性髄膜炎菌感染症の症状は?
潜伏期間は2~10日で平均は4日間程度。
症状は12時間以内に侵襲性髄膜炎菌感染症の特徴を示す症状が現れる進行の早い感染症なので
早期の治療開始が重要です。
1~2日で急速に進行するようです。
髄膜炎にはいろいろな種類がありますが、
突然起こる、侵入して襲ってくるという意味で侵襲性とついています。
下記の症状が出たら侵襲性髄膜炎菌感染症を疑ってみるのも大切です。
- 頭痛
- 発熱・高熱
- 嘔吐
- 痙攣
- 意識障害
- 悪寒
- 点状の出血が眼球結膜や口の中、皮膚に出現
- 体幹、四肢に紫斑が出る
- 幼児であれば大泉門(赤ちゃんの頃、大泉門は閉じていません。頭頂のぺこぺこする部分)がふくらんでくることも
頭痛、悪寒、発熱では、インフルエンザの症状と似ていてわかりにくいですね。
特徴的な症状は太字にした点状出血や紫斑ですね。
紫斑はこんな感じのようです。実際の侵襲性髄膜炎菌感染症の患者の写真。
画像元:http://www.kobe-tokiwa.ac.jp/univ/news/topics/no8.html
侵襲性髄膜炎菌感染症の感染経路は?
唾液などの飛沫感染なので、くしゃみ、咳、食器類の共有などが要注意です。
特に注意すべきは、集団生活では侵襲性髄膜炎菌感染症のリスクが高まる点ですね。
高校生以上の寮生活などではリスクが高くなると知っておくのも大切です。
それは、侵襲性髄膜炎菌感染症にかかりやすい年齢と関係があります。
侵襲性髄膜炎菌感染症にかかりやすい年齢は?
大きく2つの年代が侵襲性髄膜炎菌感染症のリスクが高いことがわかっています。
- 幼児(0~4歳)
- 若者(15~24歳)
この髄膜炎は特に集団生活で発症しやすいという特徴があります。
寮生活や軍隊など多くの人が集まって集団生活をする場はリスクが高くなります。
そのほかのリスクの高い人は…
- 免疫の低下した人
- 脾臓を摘出した人
- 慢性中耳炎・鼻炎・副鼻腔炎の患者
- HIV感染者
侵襲性髄膜炎菌感染症にかかりやすい季節は?
日本の気候では、寒い時期に侵襲性髄膜炎菌感染症が多発します。
空気が乾燥する時期なので、
あらゆる感染症のリスクが高まりますが、侵襲性髄膜炎菌感染症もその1つなのですね。
侵襲性髄膜炎金感染症の予防接種はある?
侵襲性髄膜炎菌感染症には予防接種があるんです!
さきほど侵襲性髄膜炎菌感染症の主な原因菌には、
A,B,C,Y,Wの5つがあると言いましたが、
日本で入手できる予防接種はこのうちBを除くA,C,Y,Wに対して有効な予防接種です。
侵襲性髄膜炎菌感染症は日本ではまれな髄膜炎だと考えられているので
どこの医療機関でもストックされているようなポピュラーな予防接種ではないようです。
取り寄せになることが考えられるので侵襲性髄膜炎菌感染症の予防接種を考えている場合は
早めに問い合わせてみましょう。
侵襲性髄膜炎菌感染症の予防接種は、任意接種なので費用は全額自己負担です。
寮生活をする若者は予防接種を考慮してもいいかもしれませんね。
侵襲性髄膜炎菌感染症を予防するための対策は?
飛沫感染を防ぐということが大切です。
とはいっても周りでくしゃみをしている人を止めることはできませんよね。
自分自身もくしゃみ、咳をするときは口を覆うというエチケットは大切です。
侵襲性髄膜炎菌感染症の予防に効果的なのは、
- うがい
- 手洗い
- マスク
- 加湿器での50~60%の湿度を保つ
もしも、
発熱、悪寒、頭痛といった症状に加え、
体、四肢に紫斑、
眼球、口腔内、皮膚にぽつぽつと点状の出血が見られる場合は早急に医療機関を受診しましょう!
侵襲性髄膜炎菌感染症は24時間以内なら予防内服薬の投与ができる!
もしも、周りに侵襲性髄膜炎菌感染症の感染者がいると分かっている場合は、
侵襲性髄膜炎菌感染症の患者と接触して24時間以内に薬を予防投与することによって
感染のリスクを下げることができます。
わだクリニックによると
リファンピシンを2日間投与する方法や
セフトリアキソン、シプロフロキサシを投与する
引用元: http://wada-ped.jp/spotcms/show.php?target=news&type=2&offset=2
という予防法があるそうです。
まとめ
侵襲性髄膜炎菌感染症という名前だけでもおそろしい感染症ですが、
早くわかれば治療法もあり、決して恐ろしいばかりの感染症ではありません。
予防の内服薬があるというのも心強い!
侵襲性髄膜炎菌感染症はどんな症状がでるのかをしっかり知って、
怪しいと思ったらすぐに医療機関を受診しましょう。
寮生活など離れて暮らしている子供の場合は、
発熱や頭痛、嘔吐をただの風邪で済まさず紫斑などがでないか
様子を見るように伝えておくのも大切ですね!
髄膜炎は幼児を持つ親にとっては怖い病気の1つです。
侵襲性髄膜炎菌感染症に関しても
また1つ注意をしなくてはいけない病気の名前がでてきたなと感じます。
どんな症状が出るのかを知っておく。
それが子供の命を守る親の大切な心構えですね。
参考サイト:
http://wada-ped.jp/index.php
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-09-01.html
http://www.kobe-tokiwa.ac.jp/univ/news/topics/no8.html