離岸流に子供と流された時の対処方法!仕組み&見つけ方と救助法
2017/09/01
離岸流という言葉を聞く機会が増える夏。
離岸流に子供と巻き込まれたらどうやって対処したらいいの?
離岸流による水の事故は毎年報告されていますね。
福岡県の古賀での海の事故も4人がなくなった原因は離岸流に飲まれたこと。
離岸流にのまれたときの対処法を探すと
サーファーを対象にした記事はありましたが、
私が知りたいのは子供と一緒に離岸流にのまれたらどうしたらいいかという対処法。
サーフボードもなく、子供と自分がもし離岸流で沖まで流されたらどうやって
子供を連れて逃げ切ればいいんだろう?
海外のサイトの情報を探してまとめてみました。
Contents
離岸流の仕組みって?メカニズムは?
画像引用:http://thevane.gawker.com/learn-how-to-identify-rip-currents-so-you-dont-die-on-s-1692434160
英語で離岸流はRip Current、またはRip Tideと言います。
Rip Current(s)と呼ばれることが一般的ですね。
Ripはびりっと引き裂く、Currentは潮 という意味です。
びりっと裂かれた潮の流れという意味ですね。
まず、離岸流に飲まれた場合の対処方法を知るには、
離岸流の仕組みを知ることが大切です。
敵を知るというところですね。
離岸流は、沖に戻ろうとする潮の流れです。
波は沖から砂浜の方へ打ち寄せてきますよね。
その水が沖へと戻ろうとするときに大きな引き潮となって
ものすごい速さで沖へと流れていきます。
秒速2mのスピードがある場合があるそうです。
離岸流ってある程度の深さがある水のあるところでしか起きないと思っているかもしれませんが、
20センチ程度の深さでも離岸流は発生します。
自分の胸のあたりまで水深がある場合は、
離岸流に逆らうことは不可能です。
足首くらいまでの深さなら持ちこたえることができるけど、
ウエストラインまでの水深では流されてしまうことがほとんどというくらい
その流れは強いものです。
離岸流の長さは10m程度のものから30m~60m以上に及ぶものまであります。
10mならともかく、60mも流されてしまうとパニックになりますよね。
離岸流は長いけれど、
幅自体は比較的狭く10m~30mくらいです。
離岸流の仕組みを知っておくと
どのような行動に出るべきか冷静に判断する助けになります。
離岸流ってどうやってできるの?
離岸流は海だけにできると思っていませんか?
実は、海だけではなく、湖でも水のあるところなら離岸流は発生するので要注意!
ここは、海じゃないから離岸流は発生しない!と思っていると危ないですよ。
水のあるところには離岸流は発生すると思って用心しましょう。
特に離岸流ができやすい場所は、
- 桟橋、防波堤、突堤、橋脚、埠頭、岩場など海などに硬い障害物がある場所
- 遠浅の海
- 海岸線の長いところ
- 川から海に出る場所(河口)
- 湾状になっている場所
- 離岸堤の間
人口岬やコンクリートで囲まれた河口などは危ないことがわかりますね。
離岸流ができやすい天候は、
風がある日、風が強い日は離岸流ができやすいそうですが、
風のない天気の良い日でも離岸流は発生するので天候での判断は危険ですね。
離岸流の見つけ方【動画】
英語の動画ですが、タイトルは
【離岸流の見つけ方】
この動画で注目すべきポイントは、離岸流の発生しているところの海の色。
深く濃い色をしています。そして、そこだけ白い波が極端に少ないんです。
この場面をよく覚えておいて、海水浴をする場合は海をよく見てから入りましょう。
離岸流の見分け方
離岸流の発生している部分では、
- その部分の水の色が周りよりも濃い
- その部分には白い波があまり立っていない
波と波の切れ間に離岸流が発生している可能性がある
子連れで海水浴に行くとよくやってしまいな間違いは、
波の少ない場所を探して、泳いでしまうこと。
両脇に波が立っていて、その間に波の少ない部分があるときは
そこは離岸流が発生している可能性があります。
沖から波が寄せられている場所の方が離岸流の可能性がないので
むしろ安心かもしれないんですね。
波のない部分のビーチで遊ぶときは離岸流が発生している可能性があるかもしれない!と
肝に銘じておきましょう!
子供と海水浴、川遊びをするときに離岸流での事故を防ぐには?
子供には、水遊びをするときは、川でも海でも
浮き輪ではなく股でカチッと留めるライフジャケットの着用を必ずさせるべきです。
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股の下でカチッとロックするタイプが安心ですよ!
流されている間に脱げてしまっては意味がありません。
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そのうえで、
- 海水浴ならライフセーバーのいる場所で泳ぐ。
- 遊泳可能な場所で泳ぐ。
- 遊泳禁止の場所では泳がない。
- 子供とは自分の腕が届く距離から離れない。
- 離岸流の発生しやすい地形、場所では泳がない。
- 子供だけで泳がせない。
- 泳ぐ前に離岸流の発生がないか目視でチェックする。
当たり前のようでなかなかできませんが、
遊泳禁止のところやライフセーバーがいないところで泳がないというのは
子供連れの家族にとっては大切なことです。
子供と離岸流にのまれた場合の対処方法
離岸流の発生しやすいところを避けるのは小さい子供がいる家族には必須ですが、
気を付けていても自然を相手にしていれば思いがけないアクシデントもあります。
万が一離岸流に流されたときはどうしたらいいのでしょう?
離岸流にのみこまれてしまうと
その流れに逆らって戻ろうとするのは危険です。
体力を消耗し、溺れてしまいます。
離岸流に流された!と思ったら落ち着くこと。
パニックにならず、とにかく浮くことを最優先します。
パニックになると肺に水が入ったり、溺れたりします。
もしも、まだ足が底につく水深の場合は、
足を砂底などにぐっと差し込んでそこに留まり、救助を待つという方法もあります。
海など底が砂の場合には有効かもしれませんが、
川などでは難しいでしょうね。
よく言われるのは、
離岸流の流れから逃げるために岸と平行に泳いで脱出するという対処法。
離岸流に飲み込まれたときの最初にトライすべき脱出方法ですね。
これは、泳げる人、泳ぎの上手な人には有効な方法です。
しかし、子供と一緒に流された場合には難しいでしょう。
離岸流は永遠に続くものではなく、
ある程度沖に出たところで”引き”の力が弱くなります。
離岸流の長さは10mくらいであることも多いのである程度覚悟を決めて流されて
自分の力で泳げる流れになるまで待つ。
潮が引く力が弱くなったら砂浜に対して斜めに泳いで戻る方法もあります。
そして、もうひとつ、
離岸流は沖へと流す潮の流れであって、
飲み込まれても潮の中、つまり水の中へ引き込むタイプの流れではありません。
つまり、浮くことさえできれば
あとは離岸流から離脱できるところまで流されて
そこから泳いでくるという対処法が考えられます。
そのときの浮く姿勢は、
仰向きでラッコのような姿勢。
何かに浮くものに捕まることがベストですが、
何もなければ肺に空気をいっぱい吸い込んで浮くようにします。
もし、子供がライフジャケットを着用していれば
生存の可能性がぐっと高くなりますよね。
浮いて離岸流に流されながら救助を待つ。
子供と一緒に流された場合
これが一番現実的な方法でしょう。
このとき、
大人はともかく子供にパニックになるなといっても無理です。
人はパニックに陥ると溺れます。
泳げる人であっても。
水の中で冷静になれるかどうか、それが離岸流に流された場合の大切な対処法です。
子供と離岸流に流されたら…
- 落ち着く。冷静になる。
- 子供を落ち着かせる。
- 子供を仰向けに浮かせる。
- 浮いて救助を待つ。
- 犬かきなど体力を温存しながら離岸流から脱出する。
離岸流に飲み込まれたらどの向きに泳いでいけばいいかよくわかる動画(英語)です。
英語がわからなくても矢印の向きに泳いでいきます。
とにかく、離岸流に逆らって泳ぐことは絶対に避けます。
もし自分の子供や誰かが離岸流に流されたら
絶対にやってはいけないことは、
自分も離岸流に飛び込んで救助しようとすることです。
離岸流に流された人を見たら、
- 離岸流の流れを利用し、浮き具を投げて遭難者まで届くようにする。
- すぐに救助を要請する。
自分が飛び込んでいっても
遭難者までたどり着く保証がなく、溺れてしまう可能性が高いので
冷静になり、水に入らない。
果たして自分の子供が溺れたとき、流されたときに
水に飛び込まずにいられるかどうか…
正直自信はありません。
自分の身をかえりみずに飛び込んでしまう衝動にかられると思います。
離岸流に流されたときの対処法の動画ですが、
アニメーションなので英語ですが、わかりやすいです。
STAY CALM=とにかく落ち着くこと。
これが鍵です。
まとめ
小さな子供がいると、
海水浴は夏の楽しい思い出であると同時に危険と隣り合わせのことも多いですね。
日本の海水浴場では、ビールなどアルコールを摂取する風潮もありますが、
酔っぱらって離岸流に流されたら助かる気がしません…。
子供と一緒に水遊びをする場合には、
一瞬たりとも目を離さない覚悟で
ライフジャケットを着用させたうえで遊ばせたいですね。
子供が大きくなってくると油断しがちで
小学生などは子供だけで水に入ることを許しがちですが、
自分の腕を伸ばして子供をつかめない距離では危険です。
過保護でちょうどいいくらいなんですよね、水場では。
幼児の頃はかなり慎重にしていたけど、
小学生になって気が緩んでいた部分があったなと気づきました。
ライフジャケットなしで海で遊ばせていた自分は甘かった。
離岸流について知れば知るほど、
子供と一緒に流されたとき、子供の命を守るのは
親の力よりライフジャケットだと…。
引く波の強さは思ったよりもすごいです。
泳ぎの得意な子供でも波にもみくちゃになって流されるとパニックです。
水の中での自信を育てるためにも、水泳を習うことは子供の身を守るためにも
大切なことだと考え、幼い頃から子供たちには水泳をやらせていますが、
それでも、海や川は別。
プールの中で泳げても、流れのある場所での泳ぎは別物ですね。
私も今度海水浴にいくときはかならずライフジャケットを購入しようと思っています。
小学生の子供がボディボードが好きなのですが、
今までライフジャケットをつけさせないでいたことが恐ろしく感じています。
万が一を考えて、最善を尽くす。
親として、子供を命を守ることにもう一度真剣にならなくては!と
離岸流による悲劇のニュースを受けて考えています。
安全に楽しく夏の思い出を作りたいですね。