ハロウィンの由来はケルトの祭!ジャックオーランタンの悲しい伝説!トリックオアトリートの意味は?
2016/10/04
ここ数年、日本でも若者の仮装お祭りとして人気のあるハロウィンですが、
ハロウィンってかぼちゃのお祭り?魔女?仮装するだけ?
意外にハロウィンの起源について知らない人は多いのではないでしょうか?
ハロウィンにまつわる由来、起源の総まとめです。これさえ読めば、ハロウィンのすべてがわかる!
ハロウィンといえば、かぼちゃおばけのランタン、ジャックオーランタン!
その起源は少し悲しい物語だということをご存じでしたか?
ハロウィンの本当の由来、知りたくありませんか?
トリックオアトリートしていいおうちの見分け方やエチケット情報も!
Contents
ハロウィンの起源とは??どこの国が起源なの?
そもそも、ハロウィン発祥の地はアメリカだと思っている方も多いかもしれませんね。
アメリカでハロウィンが人気になったのは1990年代。まだここ30年ほどの比較的新しい行事です。
しかし、その起源は、さかのぼること2000年。ケルト族の”新年”に由来があるのです。
元々はサムハイン祭り、サウィン(Samhain)として知られていたお祭りです。
日本でいう大晦日にあたり、これからやってくる新年を祝う行事なのです。
ケルト語で”夏の終わり”を意味するのがサウィン。
ハロウィンにまつわる多くの習慣や伝統はアイルランド人の民間伝承に基づいています。
そして、これがアメリカに伝わったきっかけは、
1846年のアイルランドのジャガイモ飢饉が原因でアメリカに逃げてきたアイルランド人によってもたらされたのです。
ハロウィンの語源とは?
11月1日は、諸聖人の日、万聖節とも呼ばれ、10月31日のハロウィンはその前夜祭にあたります。
All Hallows Eve(諸聖人の日の前夜祭)がもともとのハロウィンの語源と言われています。
All Saints' Day、All Hallows' Day、 Hallowmasとも呼ばれます。
Hallow(神聖な)Eve(前夜)がなまってHalloweenといわれるようになったという説が有力です。
サムハイン祭(サウィン)とは?
ケルト民族が祝っていたサムハイン祭り、サウィン(Samhain)は
1年が終わり、新しい1年の始まり。
ケルト族の暦では1年の終わりは、夏の終わりでもある10月31日。日本では、12月31日の大晦日にあたります。
収穫に感謝するお祭りは、10月31日の日没から始まります。
この日没が、新しい1年の到来です。
10月31日の日没になると、収穫祭が始まります。
ドルイド司教たちは、焚き火を用意し、収穫した作物や動物のお供え物などを神に捧げます。
11月1日、この日は、冬の始まりでもあり、新しい1年の始まりでもあります。
日本でいう1月1日の新年ですね。
この日、サムハイン祭のクライマックスは、ドルイド教の司祭が投げ入れた牛の骨がわっと燃え上がる瞬間。
そのあと、焚き火は消されます。
各家庭はこの焚き火からもえさしを持ち帰り、かまどの火に新しい火を入れました。
この神聖な火が、悪い霊や妖精から家庭を守ってくれると信じられていました。
現代のハロウィンはどんなお祭り?
ハロウィンはこの前夜の10月31日の行事が起源となっているのです。
ハロウィンは、もともと収穫祭であるサムハイン祭と、
悪い霊から災いを避けるための宗教儀式がいつしか混ざり合って、
18世紀にアイルランドやスコットランドからアメリカへ移住した移民によってアメリカに広がり、
キリスト教などの宗教的儀式とは全く関係がなくなり、
今の民間行事として主に、子供が仮装して、各家庭のドアをノックして
「トリックオアトリート」というと、
家主にお菓子をもらえるお祭りとして広まったものなのです。
ここ最近は、日本では子供の仮装よりも若者が、ディズニーランド、USJで楽しむ姿をよく見ますね。
かぼちゃのおばけジャックオーランタンの悲劇
ハロウィンのシンボルともいえるジャックオーランタン。
オレンジ色のかぼちゃを中をくりぬき、怖い顔をしたかぼちゃのランタンにろうそくをいれたものが有名ですね。
このジャックオーランタンの起源のお話はすこし悲劇的なものだということは意外かもしれません。
昔むかし、アイルランドのある村にお酒を飲んで酔ってばかりいたスティンジージャックという男がいました。
Stingy Jack、Jack the Smith、Drunk Jackとも表現されます。
ジャックはいわゆる社会のはみ出し者としてそのあたりでは有名な人物でした。
ある運命の夜、悪魔がジャックの数々の悪行とその口の巧妙さを耳にしました。
その悪魔は本当にジャックが悪知恵の働く悪評高い噂通りの人物か確かめることにしました。
その夜、ジャックはいつも通り酔いつぶれて田舎道を歩いていると、
小さな丸石が敷き詰められた道に遺体が転がっている場面にでくわしました。
その気味の悪い笑みを浮かべた遺体はサタン(悪魔の大王)に変身すると、
ジャックは自分はもう終わりだと覚悟しました。
とうとうサタンが自分のこの悪い魂を取りにきたのだと思いました。
ジャックはサタンに人生最後のお願いをしました。
地獄に行く前に、ビールが飲みたいと。
断る理由がなかったので、サタンはジャックを近くのパブに連れていき、好きなだけ飲ませてやりました。
ジャックは喉が渇いたと、サタンにビールのタブ(大きなジャー)の代金を支払ってくれるように懇願しました。
サタンが驚いたことに、ジャックはサタンにバーテンダーに支払うための銀貨に変身するように説得しました。
ここでも、ジャックの悪知恵には舌を巻くばかりですね。
ジャックは、銀貨に変身したサタンをポケットに放り込みました。
そのポケットには十字架が入っていたのです。
十字架は、サタンが銀貨から元の姿に戻るのを阻止する働きがあるのです。
サタンは自由になるかわりにジャックのお願いを聞き入れました。
それは、ジャックの魂を奪うのに10年の猶予を与えるというものでした。
10年後の約束の日、サタンがジャックの前に現れました。
ジャックは一見サタンと共に地獄へ行くことを承諾したように見せました。
サタンが、ジャックを地獄へ連れて行こうとしたその瞬間、
ジャックは空腹でおなかがぺこぺこなのでりんごを1つもらえないか?とサタンに頼みました。
馬鹿げたことですが、サタンはジャックの要求を聞き入れました。
サタンが近くにあるりんごの木に登った瞬間、ジャックはその木の根元を十字架で囲みました。
サタンはまたしても罠にかかったことが悔しくてたまりませんが、自分を自由にするかわりにジャックの頼みを聞き入れました。
それは二度と、ジャックの魂を地獄に連れて行かないこと。
サタンは、その願いを受け入れ地獄に戻っていきました。
結果的に、ジャックの深酒や不規則な生活はジャックの命を奪うことになりました。
ジャックの魂が天国の入り口についたとき、
ジャックは神から自分の生前の行いや飲酒が原因で天国に行くことは許されませんでした。
絶望したジャックは、地獄の門へと行き、中に入れてくれるよう頼みますが、
サタンはジャックの魂を地獄にもっていかないという約束を守るためジャックは地獄に行くこともできません。
暗くて怖いというジャックにサタンは残り火を与えました。
それが、ジャックが死者の世界の住人である証。
その日から、ジャックは天国と地獄の狭間を
くり抜かれたカブの中に残り火をともした提灯(ランタン)で照らしながら永遠にさまよい続けているのです。
そして、この姿が『提灯(ランタン)のジャック』を意味する『ジャックオーランタン』と呼ばれる由来です。
天国にも地獄にも行けず、死者の国でさまよい続けるジャックは少しかわいそうですね。
怖い顔のようにも見えるかぼちゃのランタンはもしかしたら、悲しい顔をしているのかもしれません。
ハロウィンのジャックオーランタンのもともとの野菜は?!
ハロウィンといえば、オレンジ色のかぼちゃのおばけランタン『ジャックオーランタン』を
思い浮かべますよね?
でも、もともとは【カブ】だったそうです!
英語でTurnipといわれるものです。
これが、ハロウィンの伝承がアメリカに伝わったときに、
カブから、アメリカで獲れやすく中身のくりぬきやすいかぼちゃに変わったそうです。
確かにカブは寒い時期の野菜ですしね。
くり抜きやすさからすると、ランタン(提灯)としてはかぼちゃのほうが向いていそうな気がします。
ハロウィンにおばけの仮装をする意味とは?
ケルト族の暦で1年の終わりにあたる10月31日、新年を迎える11月1日。
この時期は、過去と未来が密接につながり、死者の世界と現実の世界の境界があいまいになり、
前年に亡くなった家族の死者の魂が戻ってくると信じられていました。
家族だけでなく、ケルト神話に出てくる悪い妖精シーや悪い精霊、魔女も一緒にやってくると信じられていたのです。
死者たちは人間の姿に変身し、ドアをノックして、お金や食べ物を要求すると信じられていました。
もし、家主が何も渡さないでいると、呪いをかけられるともいわれていました。
災いを避けるために、死者たちにワインと食べ物を用意したり、
ほかの説では、死者たちは「Soul Cake(魂のケーキ)」を求めて、家を訪ね歩くという説もあります。
ハロウィンに仮装するのは、人間がおばけのような仮装をして仲間と思われることで、
自分の魂を取られないようにするためであったともいわれています。
だから、ハロウィンの仮装はガイコツや魔女、ゴーストの仮装なんですね!
ハロウィンのトリックオアトリートの由来とは?どんな意味があるの?
ハロウィンといえば、仮装した子供たちが家々を回り、
「Trick or Treat!」とドアをノックすると
家主からお菓子をもらう行事です!
トリックオアトリートの起源には諸説あります。
ケルト人は、10月31日~11月1日の新年を迎える時期には、死者の世界と現実の世界の境界があいまいになり、
死者の魂や、悪い妖精などがあの世からやってくると信じられていました。
死者の魂や悪い妖精たちが、自分の家にやってきたとき、災いや呪いから家を守るために、
食べ物や飲み物を提供して、悪霊たちを鎮めたという習慣が
いつしか、人間がゴーストや魔女などに扮して各家庭を回り食べ物などをもらう習慣への変化していったのが、
トリックオアトリートの起源の1つであるといわれています。
そのほかの説では、冬の妖精が、豊作や幸せな未来と引き換えに”トリート=ご褒美”を求めたという説もあります。
ほかの説もご紹介しましょう。
古代のケルト族がお祝いしてした収穫祭サムハインは、正確にはキリスト教のお祭りではありませんが、
9世紀、キリスト教会によって11月1日をr『All Saints' Day(諸聖人の日)』に定められました。
All Hallows' Day、 Hallowmasとも呼ばれます。
15世紀になると、このAll Saints' Day(諸聖人の日)の殉死した死者たちを思い出す日にちなみ、
諸聖人の日の前夜10月31日~諸聖人の日の翌日11月2日『死者の日(万霊節)』の間に行われる
『Allhallowtide』
と呼ばれる殉死した死者に想いをはせる行事が浸透していきました。
11月2日の死者の日に行われる「Souling(ソウリング)」と呼ばれる習慣があり、
これがトリックオアトリートの由来との説も有力です。
「Souling(ソウリング)」では、『ソウル・ケーキ (soul cake)』を乞う人々が各家庭を回ります。
死者に祈りを捧げるこの日、ソウルケーキを求めて家々を回り、ソウルケーキを受け取ったら、
亡くなった親戚や死者のために天国へ導かれるよう祈りを捧げたのです。
15世紀のSouling(ソウリング)の時点では、まだ人々は仮装をしていません。
のちに、人々はケーキを乞うために訪れた家々の窓の下で歌を歌って、
ケーキをねだるようになりました。
この時の歌は、
'Soul, souls, for a soul-cake; Pray you good mistress, a soul-cake!'
その後、11月1日の Hallowmas,やAll saint's Day、All Hallows' dayと言われる諸聖人の日に
ゴーストの姿の仮装をするようになったのは、
16世紀のスコットランド地方が発祥でそこからイギリスやアイルランドへ広まったと伝えられています。
カブで作ったランタンをもって、ゴーストの仮装をした人々が、お金や食べ物、ケーキをを求めて
家々を回る姿が最初に記録されたのは、1895年のスコットランドでした。
アメリカでは、1911年に仮装をしたハロウィンが確認されています。
かつて大人も含めた人々が行っていたソウリングがいつしか、乞食と貧しい家の子供たちが、
訪れた家の先祖の霊に祈りを捧げる代わりにソウルケーキをもらう行事に代わり、
やがて一般的な子供の行事への変化を遂げたようです。
Soul Cake(ソウルケーキ)ってどんなケーキ?
(画像元:http://www.mysteryloverskitchen.com/2012/10/HalloweenPumpkinSpiceSoulCakeCleoCoyle.html)
ソウルケーキは、小さなラウンド型のケーキ。
レーズン(またはクランベリー)で十字架のデコレーションがされています。
シナモン、ナツメグ、ジンジャー、クローブなどのスパイスの聞いたビスケットとパンの中間のようなケーキです。
イーストは入っていないので、ふわふわではなく、ビスケットよりの食感だと思われます。
英語になりますが、レシピを知りたいかたはこちら
ざっくり混ぜて、スプーンで広げ、200℃のオーブンで10~15分で焼くというお手軽なレシピです。
Soul Cake(ソウルケーキ)の歌が存在した!
歌詞は、1891年イングランドのチェシャー州知事によって作詞。
「Trick or Treat」のフレーズはどこから?
「Trick or Treat」は、1940年代に西アメリカ、カナダから広まったフレーズだと言われています。
この「Trick or Treat」のフレーズが、イギリスやアイルランド地方で使われるようになったのは、
それから40年ほど後の1980年代だそうです。
英語でのTreatとは、お菓子とは限らず、
ご褒美や、おもてなしという意味でとらえられています。
トリックオアトリートの返事は??
子供たちに、「Trick or Treat!」と言われたら、
「Happy Halloween!」
「Treat!」
と答えてお菓子をあげます。
家主も仮装して出てくることも珍しくありません。
大人も子供も仮装して大いに楽しんでいます。
意外と知らないハロウィンのエチケット
毎年、子供たちとハロウィンにトリックオアトリートと言って
家々を回っているのですが、実はそのエチケットが意外と知られていません。
いつトリックオアトリートしにいってもいいわけではありません。
トリックオアトリートしていい時間は?
10月31日のハロウィンに、トリックオアトリートしにいってよい時間は、
17:30~21:30が目安とされています。
だいたい子供たちの学校が終わってからとなっています。
あまり早く16時くらいにいっても、準備中と書かれていたり、
お菓子がまだ用意されていなかったりします。
トリックオアトリートしていいおうちの見つけ方は?
これは、その家の外、庭や玄関にハロウィンのデコレーションがあるかどうかで判断します。
かぼちゃのジャックオーランタンが門に飾られていたり、庭の木々が蜘蛛の巣でデコレーションされていたり、
ゾンビがつるされていたり。
肝心のトリートは、かごに入って玄関先においてあったり(1人1個でね!と注意書きもあったり)
家主が仮装して、もって待っていたりします。
その逆に、ハロウィンに参加しない家は、うちは参加しませんと張り紙がしてあることもあります。
先ほど、トリックオアトリートしてよい時間は21時半ごろまでと書きましたが、
だいたいは1時間ほどでお菓子がなくなりました~という張り紙がされることがほとんど。
オーストラリアでは、ここ数年でトリックオアトリートできる地域が増えてきたと感じます。
ストリートごとに一斉に参加する地域があり、3~4ストリート(長く続く道)まとめて
参加している家が密集する地域があり、毎年、こういった場所をお友達から口コミで聞いたりして
参加しています。
まとめ
ハロウィンにまつわるすべての由来、いかがでしたか?
子供のお祭りとしては、その起源はすこし怖いものかもしれませんね。
子供のお祭りなのに、がいこつや魔女、クモに黒猫などちょっと怖いものが多いのが納得できたのではないでしょうか?
最近のハロウィンは、とにかく楽しく仮装して楽しむ若者が増えてきましたね。
ディズニーやUSJのハロウィンイベントは年々、パワーアップしているように感じます。
これからもっともっと盛り上がること間違いなしのハロウィン!
みんなで、楽しく
トリックオアトリートしましょう!!
(参考サイト:https://en.wikipedia.org/wiki/Trick-or-treating)